娯楽映画として面白いだけでなく、人間ドラマの部分も印象的なスピルバーグ監督の最高傑作 おすすめ度 ★★★★★
現在のスピルバーグ監督の演出技術の全ての原点がこの作品の中にあるといっても過言ではないぐらいの傑作で、個人的にはスピルバーグ監督作品の中ではこの作品がもっとも面白かった。
サメの襲撃を描く前半と、サメ狩りの後半の2部構成になっており、最初はサメはまったく姿を見せず、徐々に見せていく演出でサメの全容がわかるのは後半のサメ狩りに入ってからだが、巧みな演出で前半部分もまったく飽きさせない。
さらに、スピルバーグにしては珍しく人間ドラマとしても合格点以上で、主役の3人の描き方も魅力的。特にロバート・ショー扮するクィントの存在感が抜群で、最初は嫌な奴ですが、サメ狩りに出てからは観客はブロディ、フーパーと共に徐々に彼の人間性に触れ、魅力的なサメ狩りのプロフェッショナルとして見るようになり、そのため彼の悲劇的な最後は演出の凄まじさもあって衝撃的(原爆を輸送していた戦艦が撃沈されサメに襲われる印象的なエピソードをクイントが語る部分の脚本はロバート・ショー自身が書いたそうだ)。先日亡くなったロイ・シェイダーにとっても「オール・ザット・ジャズ」とならぶ代表作の1本。
原作にあったブロディ夫人とフーパーの不倫などの無駄なエピソードを削り、サメと人間の戦いに絞った構成や、原作通りでは映像としてのインパクトがなかったであろう後半の戦いとサメの最後を映画的な場面になるように改変した脚本の功績も大きい。
いまみるとラストで船に乗り上げる時のサメがいかにも作り物なのが残念ですが、CGのない時代ですから、このくらいの欠点は目をつぶりましょう。とにかく面白い映画。現在までスピルバーグはこの作品を越える映画を作っていません。特典映像では未公開シーンが興味深かった。
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